本のご紹介になります.
2025.05.25
以前に読んだ本ですが、興味深い内容で時々読み返しています。ご紹介させて下さい。
足を専門とする人類学者のジェレミー・デシルヴァ氏の書かれた「直立二足歩行の人類史」(2022年文藝春秋)になります。
ヒトは700万年前より二足歩行となり、サルとは別の進化の過程を辿ったとされています。直立二足歩行をしている生物はヒトだけになります。実はヒトが二足歩行となった理由の詳細は解明されていません。
私自身、ヒトは「道具を使うために両手を自由にする必要があった」と何となく思っておりましたが、近年の足の化石の研究より「道具を使う前にヒトは二足歩行をしていた」ことが分かっているようです。
仮説の一つとなりますが、両手を自由にする事で「集団で生活するヒト同士が、助け合い、協力する必要があった」とする考えがあります。相手のために食べ物を運んだり、子供を抱っこしたり、ヒトの進化の過程に「助け合う精神、利他の心」が影響していた可能性があるようです。
本の内容は、「二足歩行の解剖学的なメリット、デメリット」や「ヒトが歩くことで得られる身体的、精神的な効果」など研究データも引用し、とても分かりやすく内容になっています。
ヒトの身体の進化や造り、専門家の歴史的な知見も含めて、興味のある方は是非一読をお勧めします。